khurata’s blog

khurata’s blog

モバイルオーダーとキャッシュレス

 老母が TV CM で見たビーフシチューパイを食べたいと言うので、買い物がてら、午後1時過ぎにイオン東雲のマクドナルドに行ったのだが、散々な目に遭った……という話。

 

 ここのマクドナルドを利用するのはだいぶ久方振りで、初めて見るキャッシュレスオーダー専用のタッチパネル機が3台設置してあった。 しかしうち1台は電源が入っておらず利用不可。 思い起こせば、ここで暗雲は立ちこめ始めていたのかも知れない。

 手持ちの WAON カードには、わずか数百ワオンしか入っていなかったが、紐付けしてあるイオン銀行の口座には2万6千円ほど入れてあったし、オートチャージは2万5千円に設定してある。 イオンやマルエツなど、WAON が使える店舗では、これで困った事は無かった。

 ところが、マクドナルドのキャッシュレス機は、オートチャージしてくれなかった。 これは、マクドナルドだけがそうなのか、あるいは他のキャッシュレス機(ソフトドリンクの自販機などもその類いだ)もそうなのか、私は知らないのだが、このせいで、いったんオーダーをキャンセルして、WAON ステーションでわざわざ銀行口座から手動チャージする羽目になった。 オートチャージはポイントが稼げる利点があるのだが、イオンの建物内でそれが出来ないとは思ってもいなかった。

 

 まぁこれくらいは序の口だし、目くじら立てるほどの事ではない。 問題はここからである。

 キャッシュレス機がオーダー番号を印字したレシートを吐き出してくれるので、後はマクドナルドの窓口の前で番号が呼ばれるのを待てば良い。

 しかし、どういうわけか、窓口の前にはおおよそ30人ほどが所在なさげにたむろし、窓口の卓にはざっと20人分ほどの受け取り待ち品が置いてある。 ちょっと異様な風景である。 なんだこれは……。

 窓口の様子を見ると、上方には番号の状況を知らせるディスプレイが2台あり、1台はモバイルオーダーの番号を、もう1台はキャッシュレス機の割り当てた番号を表示しているように見えた。

 ディスプレイには「待ち」と「呼び出し」の欄があり、自分の番号も確かに「待ち」の方に表示されていた。 

 

 つまり、この人達は、自分の番号が呼ばれるのを待っており、この品物達は、誰にも引き取られずに、ただ冷めるにまかせているのである。

 以前来た時は、有人レジが3つほどあったような気がするのだが(記憶はさだかでない)、今や有人レジは現金専用の1台のみで、そこは誰も並んでいない。 世はまさにモバイルでありキャッシュレスなのだから。

 

 ……15分ほど立ったまま待ち続けたが、なかなか自分の番号が「待ち」から「呼び出し」にならない。 他の人達も、ひたすらじっと待っている。 卓の上の品物は増え続ける。 店の前で待つ客はひたすら待たされる一方、決済を終えた客は受け取りになかなか現れない。

 モバイルオーダーとキャッシュレス決済が、品物の回転と、客の回転を悪化させているように見えた。 どちらも、客に番号を割り振って、その番号を待ち客に対して呼びかけなければならない仕組みだが、まるで機能していない。 現金決済の有人レジだけだった頃は、いくらなんでも15分待つなんて事は無かった。 店舗内の店員はざっと見たところ7~8人ほどはいて、人手不足とも思えない。

 「40分待ったよ」と捨て台詞を残して品物を受け取る客もいたし、「自分はウーバー配達員だから別に良いけど、お客さんはどう思うかね」と店員に聞こえよがしに言う客もいた。 こんな会話がマクドナルドで交わされるとは驚きである。

 今まで、いくつものマクドナルド店舗を利用してきたが、こんなに待たされたことはなかった。 一時は「60秒で」とか言ってなかったか。 まったくファスト・フードではない。 こんなに待つなら、ベンチを設置しておいてほしいくらいだ。

 

 若い女性客が、知り合いとおぼしき他の女性客に促されて自分の番号に気付き、あわてて受け取りに行く姿もあった。 おそらく、待ちくたびれてスマホを見ていたために、店員の呼びかけに気付けなかったのだろう。

(素人考えだが、モバイルオーダーは、アプリ内でスマホの着信音を鳴らせば、わざわざ店員が番号を呼ぶ必要も無いし気付かれない心配も無いはずで、おおいに改善の余地があると思われた)

 

 すると、ディスプレイから自分の番号が消えた。 「呼び出し」欄にも表示されない。 これはいったいどういう状態なのか……忙しそうな店員さんには申し訳無いが、その旨を訊くと、「いま順番に作っていますのでお待ち下さい」との説明。

 と言うことは、あのディスプレイには然程の意味は無い、ということなのか。

 しばらくすると別の男性客が、私と同じ現象に遭遇したらしく、店員に向かって「自分の番号が表示されなくなったんだけど」と質問していた。 察するに、この番号状態表示のシステムもまた、機能していないのである。 もしかすると、店員さん達は混乱の中で、システムに頼らずに仕事をこなそうとしているのではなかろうか……とも思える一幕だった。

 

 30分ほど待って、ようやく自分の番号が呼ばれた。 トレーを取って老母の待つ座席に戻ると、コーラとアイスコーヒーがそれぞれ1つずつなのに、ストローが1本しかない。 注文したサラダ本体は有るが、別注のドレッシングも無いしフォークも無い。 コーヒー用のガムシロップとフレッシュはちゃんと付いてきているのに、なんともちぐはぐな事である。

 おまけに、30分近くも待たされてようやく出てきた品物であるにもかかわらず、ハンバーガーもポテトもえびフィレオも、ことごとくぬるく冷めている。 出来上がってから、少なくとも10分くらい、置きっ放しだった感じである。

 

 不幸中の幸いと言えるのは、トレーを受け取った時、老母のお目当てだったビーフシチューパイはまだ出来ておらず、後から出来たての品物を口にできた事である。

 しかしこれも「幸い」と言えば言えるかもしれないが、30分待って出てきた品物が10分放置されたもので、しかもビーフシチューパイはさらに待たされたのだから、イオン東雲マクドナルドのオーダーシステムは崩壊していると言われても致し方有るまい。

 

 食事を終えると、午後2時を回っていた。 マクドナルドで食事だけするのに1時間も掛かったのだ。

 帰り際に店舗の窓口を見ると、受け取り待ちの品物は1つしか無く、待ち客も1人しかいなかった。 つまり、あの惨状は、午後0時から1時台にかけて発生していたのであろう。

 なかなか取りに現れない客達が、その後どうしたかは分からない。 無事、冷め切った品物を手にしたのだろうか。 それとも店側が受け取り手のない品物を廃棄したのだろうか。 私には知る由もない。

 平日の金曜日でさえこうなのでは、土日などは、いかばかりであろうか……客も大変だが、その大変な客を見ながら、崩壊したシステムで働かなければならない店員さん達も哀れである。

 

 素人目に一度見ただけだが、諸悪の根源は「モバイルオーダーで決済したが取りに来ない客」だと思われる。 他にもいろいろと改善すべき点は有るが、これが最大の問題に見えた。

 せめて繁忙時だけでも、モバイルオーダーを取りやめて有人レジに切り替えるとか、先ほど述べたようなアプリ改善をするとか、あるいは番号での紐付けをやめて他の仕組みを考える……など、何かしら大きな改善が必要だと強く思った午後であった。

 

(2023/12/16 追記)

 この惨状をマクドナルドのメール受付窓口に送ってみた。 返信は要らないが、何らかの改善が施されると良いなぁと思う。