khurata’s blog

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香川照之氏のセクハラ行動について思うこと

 ここ数日、TV や週刊誌において、香川照之氏が約3年前に銀座の高級クラブで仕出かしたセクハラ行動が報道され続けている。

 この件、大前提として、最も悪いのは(本人も認めているので)香川照之氏本人であるし、酒に酔った上だからと言って許容されるものではない。 本来ならば刑事事件になってもおかしくない話で、本人の猛省は必要だ。

 しかし、被害者側についても、私が思うところは少なからずある。

 そもそもの話、香川氏が通うほどの銀座の高級クラブならば、いくら上客といえども、そのような下品な振る舞いは制止されるはずだし、されねばならなかった。 私は「クラブママの髪を後ろから鷲掴みにした写真」を見ただけだが、こんな事態が起こる前に、他のホステスや黒服は制止できたはずだ。 それが出来なかった時点で、高級クラブとしての運営は失敗しているし、客選びも失敗している。 つまり「高級クラブ」とは名ばかりで、客の下品な振る舞いを許容した時点で、高級という看板は降ろすべきなのだ。
 そのような写真を隠し撮りしているヒマが有るなら、写真を撮った人物はまず制止しなければならなかったし、写真を撮られるヒマが有るなら、ママさんはかわさねばならなかった。 それすら出来ない人物がクラブママをやっている事が、私にはちょっと信じられない。 高級クラブが酔客を犯罪者に仕立て上げるなど、有ってはならない事なのだから。
 また、報道では「ブラジャーをはぎ取った」り、「キスをした」り、「乳房に触れた」りもしたそうだが、それらの証拠を私は知らないので、これについては何とも言えない。 もし事実であるならば、「髪を鷲掴みにした」と同様、これまたクラブ側が制止しなければならない行動である。 そんな下品な客はウチにはいらない、という毅然とした態度を高価で提供する事こそ「高級クラブ」の仕事ではないか。

 次に、なぜ3年も前の話を今更蒸し返すのか、だ。 香川氏ほどの芸能人ならば、3年も経てば色々な仕事に関わり、影響はだんだん大きくなるであろう事は容易に想像できる。 3年も経ってから暴露するという行動は、この3年の間、香川氏が携わったいくつもの仕事を台無しにし、それらの仕事を支える多くの人々の業務業績をも失わせ、その人達の将来を奪い、大袈裟に言えば国富を損なう行為なのだ。
 香川氏が問題行動を起こしてすぐに店側が刑事告訴したり報道に暴露していれば、影響は抑えられたのである。 わざわざ3年経って、「トヨタイムズ」とかをやり出してから問題提起し話を広めるのは、私の感覚で言えば「性根が悪い」。
 先にも書いた通り、客の問題行動を止められなかった店側に「高級クラブ」を名乗る資格は無いが、その事をさて置いても、すぐに問題提起するなり、あるいは慰謝料をいただいて手打ちにしてもらえば良かったのである(「してもらう」という書き方である理由は、客の問題行動を止めるべき側が止められなかったからである)。

 こうした状況から生まれる「下衆の勘繰り」は、「新型コロナ禍で店が立ちゆかなくなり、もうどうせ閉店するのだからブチまけてしまえ」という店側の事情だ。
 そういう事情が無く、店側が今後とも「高級クラブ」として営業を続けたいのであれば、そうした報道に対して営業妨害だと憤り、差し止めなければならない。 繰り返される報道は「この店は全然『高級クラブ』なんかじゃ有りませんでしたよ」という内容なのだから。
 それら報道を黙って見ているだけなら、もはやその店は「下品な客を受け入れる程度のクラブである」と自ら認めているに等しい。 高級も何も有ったもんじゃない。 これが「今の銀座」なのか。 客が安心して酔うことも出来やしないなんて、嘆かわしい事だ。