khurata’s blog

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VMware のネットワーク設定がブリッジに出来なかった件

(もともと「Yahoo!ブログ」だったものを転載しています)
(投稿日時:2018/9/9(日) 午後 6:41)

 

1.はじめに

 ウチのネット環境は、「無線 LAN がインターネット」「有線 LAN がイントラネット」になっていて、各マシンが無線と有線の2つの NIC を持っている。
 それぞれの IP アドレスは手動で決め打ちしていて、無線 LAN はルータの IP アドレスをゲートウェイとしており、有線は単純にハブでつなげてある。

 このようなネット環境に在る Windows PC に WindowsVMware Player をインストールしてホストとして用い、仮想マシンCentOS をゲストとして動かしたい、という場合、有線・無線それぞれの仮想 NICWindows 物理マシンの NIC にブリッジすると簡単である。

 こうすると、ゲストの CentOS は即座に無線 LAN でインターネットが使えるし、有線 LAN でWindows 各マシンとのディレクトリ共有や、各マシンからの SSH ログインができるようになる。

 これは特筆するような事ではないし、特に難しい事も無い。

 が、こうして作った仮想マシンの起動ディスクイメージファイルを、別の Windows 物理マシンに持っていくと、VMware Network Configuration で、どうしても両 NIC をブリッジにできなくなってしまった。 ブリッジにしようとしても、勝手に「ホストオンリー」にされてしまうのだ。

 VMware Player 側では、NIC を2つとも無線に自動ブリッジする事はできるし、NIC 2つとも有線に自動ブリッジする事はできるのだが、それぞれを無線と有線にブリッジする事ができない。
 これではインターネットとイントラネットを排他的にしか使えず、切り替えるにはいちいち仮想マシンをシャットダウン・再起動しなければならない。

 この謎に立ち向かった経緯を記録しておきたい、というのが、本エントリーの主旨である。 ちなみにオチは拍子抜けするほど呆気ないものだった。

 

2.まずは仮想マシンを作る

 特に説明するまでも無い事だと思うが、おおよそ次の手順で作成した。 なおホストとする Windows PC には VMware Player がすでにインストール済みであるものとする。

1.VMware WorkStation をダウンロードし、インストールファイルを解凍する。 その中の vmnetcfg.exe を、ホストとなる Windows 物理マシンにおいて管理者権限で起動し、次のように設定する。
1.1 VMnet0 を物理マシンの有線 NIC にブリッジする。
1.2 VMnet9 を追加し、物理マシンの無線 NIC にブリッジする。
1.3 vmnetcfg.exe を終了する。

2.ホストとなる物理マシンのコントロールパネルから、NIC の設定を行う。
2.1 VMnet0 と VMnet9 にブリッジした NIC のプロパティにおいて「VMware Bridge Protocol」を有効にする。
2.2 それ以外の NIC のプロパティにおいて「VMware Bridge Protocol」を無効にする。

3.VMware Player で CentOS 向けの仮想マシンを作成し、以下のように設定する。
3.1 ネットワークアダプタを「カスタム」の VMnet0 に設定する。
3.2 ハードウェアを追加し、ネットワークアダプタを選ぶ。追加されたネットワークアダプタは「ネットワークアダプタ 2」のような名前になる。
3.3 ネットワークアダプタ 2 を「カスタム」の VMnet9 に設定する。

4.VMware Player で仮想マシンCentOS をインストールする。インストール中に、ネットワーク設定を以下のようにする。
4.1 System eth0 に手動で有線 LAN の IP アドレスやサブネットを設定する。ゲートウェイは 0.0.0.0 にする。
4.2 System eth1 に手動で無線 LAN の IP アドレスやサブネットを設定する。ゲートウェイは無線 LAN ルータの IP アドレスを設定する。

5.これで仮想マシンは無線 LAN でインターネットが使えるようになり、有線 LAN マシンから SSH ログインなどができるようになる。

 

3.問題勃発

 上記のように仮想マシンを作って動かすところまでは、普通にやっていて特に問題も謎も無い。 しかしこの仮想マシンのディスクイメージファイルを他の物理 Windows マシンに持っていくと、冒頭で述べた不可解な現象に陥る。

 ネット情報を漁り、半日ほどいろいろ試行してみたが、どうにも直す事が出来なかった。 何が原因なのかも分からなかった。 しかしせっかく作った仮想マシンが可搬で無いのは納得行かない。

 ちなみに仮想マシンの移行は、下記ページの「仮想マシンを新規作成して仮想ディスクをコピーまたは移動する」手順にて実施した。
https://kb.vmware.com/s/article/1000936?lang=ja

 

4.問題解消

 原因も対処方法も分からず、ヤケクソで移行先の物理マシンで VMware Player のアンインストールと再インストールをやったら……直ってしまった。 何の問題も無く vmnetcfg.exe で無線・有線の両 NIC をブリッジできるし、仮想マシンの設定もすんなりできた。 もちろん結果も問題無し。

 結局、正確な原因は不明なままだが、VMware の内部状態がおかしくなってしまっていたのでは……と思われる。

 以上 

 

 (2020/12/25 追記)

 VMware Network Configuration ツールで、VMnet0 等のアダプタが物理インタフェースにブリッジできない場合は(「Microsoft Wi-Fi Direct Virtual Adapter」しか選べないとか)、VMware Network Configuraion を管理者権限で起動し直し、「デフォルトに戻す」を実行すると、出来るようになる事がある。

 上記本文で「VMware の内部状態がおかしくなってしまっていたのでは」と書いたが、もしかすると、「デフォルトに戻す」を実行すれば、それだけで済んだのかも知れない。

(2021/03/25 編集)

 VMWare と表記していた箇所を VMware に改めた。